公益社団法人全日本不動産協会は、業界最古の歴史を誇る不動産業界の全国組織です。70年余の歴史と実績で安心経営をサポートしています。
戦後、激しく混乱した不動産取引の安全と公正を確保するため、昭和27年に宅地建物取引業法が公布されましたが、それと同じ年に、建設大臣(現国土交通大臣)の許可を受けて(公社)全日本不動産協会(全日)が設立されました。
不動産業者の結集を図り、業界の健全な発展と、一般消費者に対する不動産知識の普及を目的とした、不動産業界初の公益法人です。
当時、我が国の住宅問題を憂慮しておられた三笠宮殿下から激励のお言葉をいただくとともに、建設大臣であった野田卯一氏、初代会長に東急会長の五島慶太氏、役員に政財界、官界、学界の著名な方々を迎えてスタートしました。以来70年を超える長い歴史と伝統を誇り、全国47都道府県に組織をもつ団体なのです。
土地や住宅に関する政策への要望や、不動産の適正な取引の推進、不動産流通の円滑化、不動産知識の普及・啓発等の事業を行っています。全国の優良な不動産業者約33,000社が所属し、会員どうしの交流が盛んです。
宅地建物取引業法とは、宅地建物取引業の適正な運営と公正を確保、またその健全な発達を促進し、購入者などの利益の保護と宅地建物の流通の円滑化を図る目的で作られた法律です。
宅地建物取引業を営もうとする者に免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行えるよう定められました。業者はこの法律の下で宅地建物の売買、交換、貸借の代理、媒介などを行います。希望者は、ふたつ以上の都道府県での営業を望むなら国土交通大臣の、ひとつの都道府県での営業なら都道府県知事の免許を取得しなければなりません。免許の有効期限は5年。また、その取得条件にはいくつかの欠格事由に該当しないことと、事務所に5人に1人の割合、案内所には1名以上の宅地建物取引士を設置している必要があります。
宅地建物取引士とは、宅地建物取引業者のうち、ある一定以上の実務経験を持ち、資格試験に合格し、さらに都道府県知事が行う講習を受講したものに交付される資格です。
宅地建物取引業者のうち、一定期間以上の実務経験を持つ者が、国土交通省の定めるところにより、都道府県知事の実施する資格試験に合格し、さらに同知事が行う講習を受講すると、宅地建物取引士証の交付が行えます。宅地建物取引士には、宅地建物の取引に際して、重要事項を説明し、その書面に記名押印するという、この資格を持つ者だけが負うことのできる業務があります。つまり、宅地建物取引士がいて初めて取引は成り立つのです。
公益法人とは、広い意味では学校法人、宗教法人、医療法人、NPO法人が入ることもあるが、厳密には、民法34条を根拠にして主務官庁の許可によって設立が認められた非営利法人のことをいいます。
野田 卯一(のだ ういち:1903年9月10日~1997年1月29日)は、昭和期の日本の政治家。元建設大臣・経済企画庁長官で、池田勇人・福田赳夫とともに、「大蔵省の3田」と呼ばれた人物です。
略歴として、東大卒で大蔵省に入り、主計局、専売局長官を経て事務次官。日本専売公社副総裁を経て、昭和25年に参議院議員となる。昭和28年以来、衆議院議員に連続10回当選を果たす。この間、建設大臣、国務大臣(北海道開発庁長官、行政管理庁長官、経済企画庁長官)などを歴任し、昭和32年、社団法人全日本不動産協会会長となる。以降、40年にわたり、会長としての要職にあたり、実に本協会の“生みの親・育ての親”であった。又、我が国不動産業界にあっても、全業界の最高指導者の一人であった。