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人権教育・啓発推進指針~人に優しい・信頼の全日滋賀をめざして~

序文

世界人権宣言では「すべての人間は生れながらにして自由・平等で平和に生きる権利がある」ことを明記しています。
人権とは、「人間として幸せに生きる権利」であり、日本国憲法においても保障されている誰からも侵されることのない基本的な権利です。
しかしながら社会、文化、経済の発展した今日においても、なお、同和地区や在日外国人などに対する予断と偏見に基づく、悪質な差別事件や差別を助長する事件が後を絶たないのが現実あり、多くの人の人権が侵害されていると言わざるを得ません。
私たち宅地建物取引業者は取引の安全確保と国民の利益の保護に努め、社会から高い信頼を得なければならない社会的責務を負っています。
すなわち、人権が尊重される社会を創り上げていくことが、社会からの信頼に応えられる業界を目指す私たちの願いであり、私たちに与えられた課題でもあります。
ここに、人権教育・啓発推進に関する課題を明確にし、行政や関係団体と連携・協力し、その解決に積極的に努めるために、人権問題に関する指針を定めるものとします。

人権教育・啓発推進指針

1.啓発推進体制について
“人権の大切さに気づいて、積極的に差別をなくす立場に立つ”

(1)推進組織の充実
①各支部に人権教育推進委員をおき、組織の充実に努める

(2)研修会の開催及び研修会情報の提供
①協会主催の研修会の開催
②会員に対し、行政や他団体の開催する研修会情報の提供に努める

(3)企業内研修・勉強会の実施を啓発する
①企業内研修や勉強会実施の啓発に努める
②研修ツール、教材情報の提供に努める

(4)不動産業務における人権に関する手引書の作成
①行政等と協力し、手引書作りを検討する

(5)指導・相談員の育成
①行政や他団体の開催する研修会への積極的な参加を呼びかける
②情報交換会への参加
2.指導対策体制について
“進歩や実態をチェックし、教育や啓発推進に反映する”

(1)新規入会者に対し入会審査時の指導を行う
①入会審査時に人権問題に関する理解、協力を求める
②手引書に基づき教育指導に努める

(2)業者や消費者の意識・実態調査
①会員に対しアンケート調査等を実施し意識・実態の把握に努める
②企業内研修会の実施状況の把握に努める

(3)連絡網の整備と報告
①差別事件や人権を侵害する事象に遭遇または発見したときは人権教育推進委員に速やかに報告する

(4)人権問題指導対策会議を持つ
①意識・実態調査の結果を分析し、教育に反映し改善に努める
②差別事件や人権を侵害する事象の事実確認と行政への報告に努める
③情報交換会や研修会等で得た情報をもとに啓発推進体制を見直す

(5)情報交換会の開催
①関係団体と情報交換会を開催し、情報の共有に努める
3.宅地建物取引業者における人権問題に対する遵守事項について
“人権問題の解決に向けて、宅地建物取引業者は次に掲げる事項を遵守する”

(1)宅地建物取引業者の責務
①[信頼性の確保]
宅地建物取引業者は、その取引行為において、より高度の社会的信頼性を求められていることを自覚し、人権問題への啓発体制を確立し、人権意識の高揚に努める。

②[取引物件の調査等]
宅地建物取引業者は、取引物件の所在地が同和地区であるかないか、または、同和地区を校区に含むかどうか等について、調査および報告ならびに教示をしないこととする。

③[入居機会の確保]
宅地建物取引業者は、国籍、障害、高齢等の理由により、入居機会を制約し、これを助長する差別的行為をしないこととする。
また、その関係する家主等に対して、人権問題についての理解を求めるよう努める。

(2)業界団体の責務
業界団体は、その構成員に対し、人権意識の高揚と普及を図るため、研修啓発推進組織の活動を強化しながら、県や関係機関と連携しながら組織的な研修・啓発の取り組みの指導に努める。

公益社団法人全日本不動産協会滋賀県本部